平成21年度たかくら会群馬


平成21年5月25日(月) 群馬県高崎市にあります高崎シティーギャラリーにおいて
 平成21年たかくら会を開催いたしました。
 
 

平成21年たかくら会 群馬 プログラム

袿袴道中着


装束をお召しになる「御方」は緋色の切袴に丸ぐけの紐を巻いた姿です。
小袿姿は平安時代、上流階級婦人の日常着として発達したものであり、本来は
長袴を着用いたしました。明治時代には、宮中において女官が奉仕するときの
服装にも定められ、また動きやすいよう切袴を用いるようになりました。
  
今回ご披露いたしました姿は、外出時のものであり、「道中着」と呼ばれています。

御方に小袿をお着けしたところです。

お着けした小袿を紐でからげ上げます。
これにより裾があがり作業の便が図られます。道中着たる所以であります。

袿袴道中着姿の完成です。
このあと同姿にて、十二単・直衣・束帯の衣紋を上げていきます。
道中着姿がいかに活動的であるか、お分かりいただけましょう。

十二単


今回は二領の十二単をご披露いたしました。
御方は髪を大垂髪(おおすべらかし)に結い、釵子(さいし)という金の髪上具をお着けになっています。十二単の正式な髪型であるこの大垂髪の歴史は意外と新しく、江戸時代後期頃発案されたものです。
手前の御方は緋の長袴を、奥の御方は濃色(こきいろ)の長袴を穿いています。
これには使い分けがあり、既婚の女性は緋色を、未婚の女性は濃色をはくのです。

十二単という名称から多くの方が十二枚の衣を重ねるのだろう、と想像されますが現代の十二単は、単から裳まで合わせたとしても10枚です。
そもそも十二単とは通称であり、正式名称ではございません。
正式には「五衣唐衣裳」または「女房装束」と申します。

衣紋も最終段階に入り、裳の紐で装束を固定しているところです。
十二単は二本の紐を使って上げてゆきます。つまり重ねた衣を紐で固定すると、先の衣を固定するために使った紐を抜きとり、順次これを繰り返してゆきます。
最終に残る紐こそが、この裳の紐であり、この紐をしっかりと固定しなければ十二単はくずれてしまいます。

十二単の完成です。

御方は檜扇を持っております。
女性の檜扇は男性のものと比べ大きく、また描画や彩色が施された美しいものです。

直衣


御方の被り物がそれぞれ違うことがお分かり頂けるかと思います。
手前の御方は「烏帽子」を、奥の御方は「冠」を被っております。
平安時代、上流階級の普段着にあたる直衣は、日常の暮らしの中では烏帽子を着用いたしました。普段着である直衣ですが、天皇からの許し(勅許)を得れば、この姿で宮中へ参内することが可能でした。この際には、被り物を冠に変え、冠直衣にすることが決まりでありました。直衣で参内することは、貴族にとって大変に名誉なことだったのです。

単、袙(あこめ)を重ね、指貫袴を着けているところです。

袍を重ねるも、首上の蜻蛉を閉じただけの引き直衣姿です。
屋敷内などのくつろいだ場などでは、こうした姿も滅多なことではありませんでした。

引き直衣姿から、袍を御方に合わせてお上げしているところです。
袍の丈は大変に長いものです。それゆえ袍を御方の身丈に合わせるために引き上げ、良い位置で共布の帯を使い固定します。またそれによって余った部分を、帯に込み入れます。 

手前は夏の直衣、奥は冬の直衣です。
夏の直衣の袍は、二藍色です。
穀紗などで織りあげるため、下の衣が透けて見え涼やかです。
冬の袍は表地に白を、裏地は二藍色や蘇芳色です。
直衣の袍は季節によっての使い分けこそあれ、身分による色の区別はありません。
束帯や衣冠の身分によって色が変わる袍(位袍)に対し、直衣の袍は雑袍と呼ばれる所以です。

束帯


束帯は他の男性装束に比べ、多くの衣や物の具から構成されています。
束帯は「帯で束ねる」と書きますが、その名の通り、石帯という石の飾りのついた帯を使い装束を固定することに由来しています。
今回は縫腋の束帯を二領ご披露いたしました。

袍を上げているところです。
手前の御方は深緋の袍を、奥の御方は黒の袍を身にまとっています。
これは位袍といい、御方の身分によって色と文様を使い分けます。
身分と色の関係は時代によって様々な変遷をたどってきましたが、平安時代中期頃には一位から四位を黒とし、五位を深緋、六位以下を緑衫とするようになりました。

袖を取っているところです。
先に述べましたように、袍はとても大きなものです。御方が動きやすいように袖口を織り込み、御方の腕の長さに調節します。この際、袖口に壁ができるのですが、これを「耳」と呼びまして、流派によって数に違いがあります。高倉流の耳の数は1つです。

御服上げの終了です。
今回は太刀を佩かせました。太刀は平緒とよばれる帯で佩きます。また履物は、「かのくつ」(革に華という字です)です。

束帯 その2
こちらの御方の履物は浅沓です。

フィナーレ


衣紋道高倉流25世宗家 高倉永満、
群馬道場会頭 辻延子より挨拶をいたしました。
  
これをもちまして平成21年群馬たかくら会を閉幕いたしました。
ご来場下さいました皆様方へは、改めて御礼申し上げます。
ありがとうございました。
  

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