協会について
ごあいさつ
天皇皇后両陛下のお茶に、私たち夫婦を含めて十二人ほどが招かれたときのことです。
両陛下は、時にはお立ちになり、時には椅子にお掛けになりながら、六組のカップルにお相手くださり、また私たちお招きいただいた側どうしもそれぞれに、おいしい紅茶とケーキをいただきながら歓談したりと、両陛下のお姿の「優雅」さに包まれたすばらしいひとときでした。そのとき以来、私はカップ、スプーン、ソーサの扱いに心を砕くようになりました。
またその後のある日のことです。皇族妃殿下とたまたまテーブルマナーについてのお話になったところ、「私は訪問した国の作法が大陸式か英国式か、あるいはその国独自のものなのかによって、テーブルではそのように振る舞うようにしている」とのお言葉でした。まさに「郷に入りては郷に従え」ということわざのとおりだと思い、自分の経験をかえりみたものです。
1989 年、ベルギーはブリュッセルの宮殿で開かれた首相主催の晩餐会や、95年グルジア共和国の首都トビリシでのシュワルナゼ大統領主催のレセプション、あるいは 97 年ドイツのバーデンバーデンでの国連・ユネスコのシンポジウムに招かれたときのパーティなどをはじめ、幾度かの外国での経験を思い出します。国内では、天皇陛下の御主催になる「大饗」の宴や宮中茶会などに列席し、また私どもが催した会では、皇族殿下・妃殿下方にも幾たびもお出ましいただきました。
またスウェーデン王国の皇太子ビクトリア王女殿下、ヨルダン・ハシュミット王国のハッサン王子同妃両殿下への日本文化のご進講など通じて、「美しいことば」「美しいふるまい」「美しい心くばり」が人をしてどんなに魅力あるものにするかということに気づかされました。
日本エチケット プロトコール協会
会長 仙石 宗久
仙石 宗久 略歴
NPO 法人 有職文化研究所 主宰
(社) 日本エチケット プロトコール協会 主宰
学校法人 国際文化学園講師
1990 年、天皇陛下・皇太子殿下に、御即位礼・大嘗祭の 一連の行事を通じ衣紋奉仕
1991 年、天皇陛下・皇太子殿下に、立太子礼の 一連の行事を通じ衣紋奉仕
2001 年、スウェーデン皇太子殿下、着装披露・解説講演
2006 年、ヨルダン国ハッサン王子殿下、着装披露・解説講演
2014 年、典子女王殿下、御結婚に衣紋奉仕
2016 年、フィンランド大統領夫人、着装披露・解説講演
2018 年、絢子女王殿下、御結婚に衣紋奉仕
著書に『十二単のはなし』『生活の美学』 『エチケットプロトコール 全3巻』ほか